住まい探しと・・・

 

いきなり個人的なことで恐縮ですが、私は今、住まい探しをしています。


現住居は賃貸マンションなのですが、更新のタイミングで不動産屋さんから電話があり、「更新するなら家賃上げるゾ、コラ」と言われたのがキッカケです。


※実際はこんな言い方ではないです。もっと丁寧に、恐縮しながら、ですので悪しからず。

 

「長く住んでいるから家賃を下げる、というのは聞いたことあるけど、上げんのかい!」と心の中でツッコミつつ、しかもなかなか強気な値段設定だったので、イラっとして「ほな出ますわ。退去のタイミングだけは別途相談で」という結論に至ったのです。

 

※私の名誉のために書いておきますが、何か問題を起こした訳ではありません。

 

仕方なく始めた住まい探しではありますが、昔と違って、今はPCやスマホで物件を簡単に探せる環境があるので、気になる物件を片っ端から問い合わせて、週末に時間を作って内見、を繰り返しておりましたが…

 

まぁ、ヒキが強い、というのか、持っている、というのか。

 

内見に行った物件が、事〇物件(←これは備考欄までちゃんと読まなかった私が悪いのですが)だったり、△△△△が大量発生したマンション、ペットの××××が見付かって特殊清掃中の部屋、オーナーが毎月家庭訪問に来るマンションなど、訳あり物件ばかりを引き当てる訳です。

(「オーナーによる毎月の家庭訪問」と言われた時は、さすがに意味が分からなさ過ぎて不動産屋さんの店内で爆笑してしまった)

 

なかなか物件が決まらない状況に疲弊しつつも、「ワシ、色々持っとるなぁ」「このままやと文字通りホー〇レスやんけ」という状況を楽しんでいます。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「情報の非対称性」という言葉があります。

 

「非対称性」という言葉をググってみると「対称ではないような性質、対称性を持っていない性質、などの意味の表現。」という、分かったような、分からないようなことが書いてあります。

「情報の非対称性」という言葉だと、「(売る側と買う側など)異なる経済主体の間で保有する情報に格差があること。」とあります。

 

例えば、ビジネスだと、この情報格差を利用して仕事や交渉を有利に進めたりできますし、株式市場だと、この情報格差を利用した株式の売買を防ぐためにインサイダー取引規制などが存在しています。

そして、この情報格差による損失を回避するための方法の一つとして「DX化」があったりします。

 

住まい探しをしている時にふと思い出したのですが、不動産業界は典型的やんけ、と。

 

ネットが普及する以前、我々一般消費者は不動産屋さんに行き、彼らが提供する情報を見て取捨選択するしか方法がなかったので、この「情報の非対称性」が保たれていた訳ですが、今はネットで物件情報の大半は取れますし、何なら過去の家賃やメディア掲載履歴まで情報が取れる物件もあります。

(その逆で、意図してネットなどに非公開としている物件も多数あるとは思いますが、それを書き出すとキリがないので、今回は割愛します)

短いスパンで部屋の募集が繰り返されたり、急激に家賃が下がったりすると、ネット普及前は不動産屋さんしか持ち得なかった「何かこの部屋はおかしい」という情報に、我々一般消費者も事前に気付ける訳です。

 

どの論文だったか忘れましたが、随分昔に情報の非対称性と住宅市場(リフォーム市場だったかな??)に関連する論文を読んだ記憶(だけ)がありますが、昔と比べてここまで情報がオープンになってくると、「仲介会社」の価値って何やろ?とも思ったりします。

前述のネットで情報が取れる環境は、DX化の中でも「メディアを介した情報入手手段の電子化」に当たるかなと思いますが、ここに「コミュニケーションのパーソナル化(例えば、物件のオーナーさんが消費者と直接やり取りする等)」が実現したら、賃貸専門の仲介会社は価値の一部が下がるかもなぁ、と。

とは言え、コミュニケーションのパーソナル化は、物理的・業界的にハードルが高そうですけど(苦笑)

 

もちろん、仲介会社に価値がない、と言ってる訳ではないです。

不動産業界のことはあまり知識がないのですが、例えば物件のオーナーさん側のメリットは大きいと思います。販売力や契約関連など当然必要なことなので、不動産のプロがいなければ困るでしょう。

また、私の場合でも、仲介会社の営業さんが内見に同行していただかないと物件を見ることはできないですし、ペットの××××やオーナーさんの家庭訪問などは、ネットにも記載がないので、仲介会社の方の情報の提供によって得られたメリットでもあります。

 

※「内見する前に言えや、それ!」と心の中でツッコミは入れましたが(笑)

 

ビジネスの世界ではよく言われることですが、“消費者行動とそれを取り巻く環境がこれだけ急激に変化”している昨今においては、どの業界であっても色々変化し続けないといけない、というより変化せざるを得ない訳です。

それは、面白いこともあるけど、大変なことも多いやんなぁ、ワシももっと頑張らなアカンなぁ、などとぼんやり思いながら、内見していた先週の話でした。

 

 

…というか、ちゃんと部屋見つかるんやろか…